Windowsのスタートメニューにアプリやフォルダをピン止めすることで、よく使うものを素早く起動することができます。しかし、Windows11からスタートメニューのレイアウトが従来のWindows10までと大きく変わりました。
Windows10まではスタートメニューにピン留めするアプリをログインユーザーに関わらず共通化するにはXMLファイルを利用することで対応できていました。
Windows11でプロビジョニングパッケージを利用してピン留めする方法を画像付きで分かりやすく解説します。
スタートメニューのピン留めで実現したいこと
まずは前提として、ローカルアカウント(管理者)で端末をセットアップし、配布された利用者は自身のドメインアカウントでOSにログインすることとします。
スタートメニューにはゲームなど業務に関係がないものが登録されているため、それらを消した状態で利用をさせることが目的です。
- モバイル デバイス管理 (MDM) プロバイダーは利用しない。
- ローカルアカウントでのセットアップでスタートメニューのピン留めを変更し、その内容を他のユーザーにも適用できる。
- 利用者がドメインアカウントでログインした時にPCのデフォルトのピン留めにならない。
- 利用者は自身でピン留めを変更できる。
スタートメニューのピン留め手順
スタートメニューのレイアウト出力
配布する端末にローカルアカウントでログインしてスタートメニューを変更します。
不要なアプリのアンインストールや削除をして最終的に配布したいレイアウトに変更します。
今回の例では赤枠のアプリ2つを消して最終的に2番目の図の内容で配布します。
次に現在のピン留めをjsonファイルに出力します。
Power Shellで以下のコマンドを貼り付けて実行します。デスクトップに「startlayout.json」ができます。
Export-StartLayout -path $env:userprofile\desktop\startlayout.json
プロビジョニングパッケージファイルの出力
ソフトをインストールするため作業者の端末で行います。配布用端末にインストールしてよければ同じ端末で続けてください。
Windows Configuration Designerをインストールします。以下のリンクからダウンロードしてください。
インストールしたらAdvanced provisioningをクリックします。
NameとProject folder(デフォルトのままでも大丈夫)を入力してNextボタンをクリックします。
All Windows desktop editions を選択し、Nextボタンをクリックします。
Finishボタンをクリックします。
Runtime settings – Policies – Start – ConfigureStartPins をクリックします。
Any Textの部分に前の手順で作成した「startlayout.json」の中身すべてをコピペします。
メニューバーのExport – Provisioning package をクリックします。
Nextボタンをクリックします。
Nextボタンをクリックします。
Nextボタンをクリックします。
Buildボタンをクリックします。
Finishボタンをクリックします。
指定したパスに.ppkgファイルが作成されます。
プロビジョニングパッケージファイルの適用
配布する端末で.ppkgファイルを実行します。
確認ダイアログではい、追加する(Y)をクリックします。
以上でWindows11のスタートメニューのピン留めの共通化が完了です。
同一機種を配布する場合は同じ.ppkgファイルを使いまわすこともできます。
プロビジョニングパッケージファイルの削除
プロビジョニングパッケージを適用すると、ピン留めを変更しても再起動したらもとに戻ってしまいます。
端末を配布して利用者が使い始めたら設定を削除してもらいましょう。
設定 – アカウント – プロビジョニングパッケージを追加または削除するをクリックします。
パッケージのPinnedListを選んで削除ボタンをクリックします。
以降は再起動しても元には戻りませんので、使い始めは組織の共通的な設定にして後は自由に変えられるようになります。